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義母の葬儀記録 其の五

Posted by dekoちゃん on   0  0

飛行機が飛び立った。
私たちはとても愉快な気持ちになった。
昨日乗った飛行機の倍は大きい機内。

昨日見た同じ景色が今度はライトアップして見えた。
夜間飛行も悪くない。
左手を見下ろすと海岸線のマチが星のように輝いていた。
夫が右を指さした。
見るとオレンジの月がまるで私たちを見守るように照らしていた。

辛い時間を過ごしたが、
この美しい景色が私たちの疲れた心を慰めた。

間もなく私たちの目指す空港だ。
飛行機の下降に伴うシートベルト着用のアナウンス。
順調だ!
私と夫は目を見合わせて微笑んだ。

ところが、そのから間もなくのことだった。
「お急ぎのお客様には大変申し訳ございませんが、
只今滑走路が閉鎖となっており、、」

目の前が真っ暗になった。
昨日はまだ昼だった。
時間は午後八時を回っている。
これからまた戻るかもしれないなんて、、、、。

胸が苦しくなった。
目を閉じ、これからのことをシュミレーションした。
またホテルを予約する。
電車で移動。
そして、また明日仙台空港へと向かう気力があるだろうか。
それとも、もう飛行機は諦め新幹線で向かおうか、
いや、もうそんな気力もない。
精神安定剤を持っていたが、手元にない。
もう、頭がどうにかなりそうだったが、
私が取り乱しては夫にプレッシャーとなってしまう。
しっかりしなければ、、。
そう思って夫を見ると、座禅の姿勢で目を閉じていた。
これは神に祈っているのだろうか、、、。

20分ほど経過した。
「皆様、当機はこれより着陸態勢に入ります。
シートベルトをしっかりと、、、、」

夫と手に手をとって喜んだ。
すると、夫の手がじっとりと湿っていた。
問うと緊張で汗が滲んだとのこと。
夫は言った。
「アナタは大丈夫なの?
私は飛行機が揺れて緊張するとこうなるんだ。
それに、飛行機がまた戻り、これからどうしようと考えたら汗が出てきた」

私は初めて飛行機に乗った時、
ガタガタと揺れるたびに神に祈った。
しかし夫が「こんなものさ、飛行機より車のほうが危険なんだよ」
と言って以来、
どんなに揺れても怖くはなくなった。
その夫がこんなに緊張していたとは、、、。
夫が手に汗握ったのは福島の原発が爆発したニュースを見て以来だ。

ともかく、悪天候の中、
いつ終わるともしれない上空待機の時間が終わり、
私たちの時計がまた時を刻み始めた。
目的地を前に引き返す苦しみはもう二度と味わいたくない。

飛行機を降りる時夫は言った。
「出張でいろいろトラブルにあったが、
56年生きてこれが一番辛かった。
母さんの葬儀を思い出すたび、今回のことを思い出すだろうな」

私は言った。
「辛かったけど、私にとっては良い旅となった。
二人で力を合わせて励ましあって、
なんとか乗り切ったもの。
どんな時でも私に優しくしてくれて、
いつも心配してくれて、
私はアナタのことが大好きになった」

夫は嬉しそうにはにかんだ。


棺に入った義母の遺体の周りを、
義母が生前家族のために折った折り鶴で飾った。

義母は夫や息子、身体の弱い私のことも祈ったことを聞いた。
これからは私が義母に代わって皆のことを祈ろう。
義母の葬儀に出席出来て良かった。

これからも、
私たちを試練が襲うかもしれないが、
夫や友人、家族らと励ましあえば乗り越えられる。
そんな経験だった。


おばあちゃん、ありがとうございました。
これから貴女の息子の助けになるよう、
私も祈ります。

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